注:これはきゃんでぃそふとのソフト、「つよきす」のSSです。やったことのない方は何のことかさっぱりわからないのでご注意を。
なごみ「新年、あけましておめでとうございます、センパイ」
レオ「あ、あけましておめでとう、椰子」
ちゃんと振り袖を着付けた椰子が、指をついて、丁寧に頭を下げたので、俺は慌てた。
レオ「てか、そんなにあらたまらなくても」
なごみ「何となくしたくなっただけですから、気にしないで下さい。それよりも、お雑煮、早く食べないとさめちゃいますよ」
テーブルの上には、椰子特性のお雑煮がすでに置いてある。なごみにお雑煮を作ってもらうのは今回が初めてなので、かなり期待しているのだ。
レオ「ん〜、いい匂いだな。さっそくいただき……」
と、俺が手を合わせようとした瞬間、いきなり横から雑煮の入ったお椀を奪い取る影。
エリカ「おいしそうじゃない。私、お雑煮って実は食べたことないのよねー」
そこには何故か、雑煮を奪った、てかすでに食べ出した姫の姿。
レオ「……て、何で姫が?」
乙女「うむ、出汁がきいていてうまいな、おかわり」
レオ「乙女さんはすでにおかわり要求してるし!」
神出鬼没の姫はともかく、乙女さんまで?!
きぬ「オラー、さっさとつげやココナッツ」
カニはまあいい……てかむしろどうでもいいとして。
レオ「一体、みんなどうして……」
俺の家に、新年に女の子が四人。いや、そりゃけっこう仲の良い女の子達だが、それにしたって、これは明らかに異常だ。
エリカ「何言ってるのよ、正月早々なのに正月ボケ? みんな一緒に住んでるんじゃない」
レオ「へ?」
なごみ「そうですよ、いつもセンパイに夜はかわいがられているじゃないですか」
レオ「へ? え?」
と、言った後、ギンッ、といつもの鋭い目つきに変わる。しかし、その視線は、俺ではなく、他の三人に向かう。
なごみ「残りの三人が邪魔ですが」
きぬ「へっ、出たなこの不良が。てめーなんて一人で部屋の隅でさびしく人形遊びでもしてやがれ。レオはボクのもんなんだよ!」
エリカ「あら、言ってくれるわね。でも、対馬クンは私のパートナーよ。ゆくゆくは世界を取る、私の補佐役としてがんばってもらうんだから」
乙女「他のことはともかく、レオに関しては、譲る訳にはいかないな。姉としても、恋人としても、レオの面倒を見るのは私だ」
四人でにらみ合う四人。
レオ「あ、あの……」
俺は、おそるおそる、四人に声をかけた。しかし、それがまずかった。
四人の視線が、俺に集中する。
なごみ・えりか・乙女・きぬ「「「「どっち!」」」」
え、え、えーーーーーーーーーっ!!
新一「という初夢を見た」
レオ「何だよそれ、夢オチかと思ったら、俺が見た夢でもないのかよ」
新一「俺だって、ハーレムの夢を見るなら、主人公俺で見たかったぜ」
てか、凄いハーレムだな。夢の中とは言え、そんな怖ろしい想像が出来るフカヒレは、凄いやつなのかもしれない。
スバル「ハーレムっつうか、それって単なる修羅場じゃねえのか?」
新一「で、言うこと聞かない女はこうだー、て身体で黙らせるわけだ」
前言撤回、さすがフカヒレ、最低だ。
そんなバカ話をしていると、生徒会室に、佐藤さんが入ってくる。
良美「対馬君、エリーが呼んでるよ」
レオ「あ、ありがと、佐藤さん。それじゃ、ちょっと行ってくる」
新一「ああ、お互い、ハーレムの為にがんばろうな」
レオ「いや、一緒にしないでくれ」
俺はフカヒレにつっこみを入れつつ、生徒会室を出てから、つぶやく。
レオ「まぁ、ハーレムでも、あんなぎすぎすしたのは嫌だよなぁ」
レオが部屋から出た後。
満面の笑みで、尋ねる。
良美「ところで、さっき話が聞こえたんだけど……どうして私は出てこなかったのかな?」
新一「それはもちろんよっぴーは俺のものだと言う……」
良美「ど・う・し・て、私は出てこなかったのかなぁ?」
新一「ヒィッ? ご、ごめんなさい! 夢の話なんで現実とは全然関係ありません!」
良美「そうよねぇ、所詮、夢の話だもんねえ」
それだけ言うと、部屋から出て行く佐藤。
新一「イマネ、トテモ、トテモ、トテーモ、コワイカンジガシタ」
スバル「思わず外人口調二回目を使うぐらい怖かったか……今年もレオは女難の年になりそうだなー」
そんなこんなで今年もよろしく。