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銀色の処女(シルバーメイデン)

あとがき

 

 まずは。

 皆様、こんな長い作品に最後まで付き合っていただき、ありがとうございました。心より感謝いたします。

 ……感想文書くわけじゃないので、後書きから読んでる人はいないよね?(笑)

 途中まで読んで、すぐに後書きを読む人は……まあ、いないっしょ。それなら、途中で読むのを止めてると思うし。

 さて、とりあえず一番最初に断っておきますが、このあとがきは誰かにせがまれたというわけではなく、自分の自己満足で書いたものです。なのでえらく個人じみた部分が多々あるので、そこらを理解して読んでください。

 ていうか、自慢話(?)や、自分の考えにふれる部分が多いので、読む方にとってはあまり楽しくないかもしれません。

 まあ、それならHPにのせるなという話もありますが、やっぱり自己満足だし(笑)

 

 

 『銀色の処女(シルバーメイデン)』は、何度も言いますが、よく考えて、細部まで練った上で、時間をかけて作った作品ではありません。

 ぶっちゃけて言うと、「まだセリオのSS書いてないな、じゃあ、セリオのSSを書くか」と思って始めた、かなり行き当たりばったりな作品です。

 どれぐらい行き当たりばったりかと言うと。

 新しい感情プログラム、シルバー。

 シルバーが実は失敗作だった。

 浩之の告白を受けないセリオ。

 『鉄色の処女症候群(アイアンメイデンシンドローム)』。

 メイドロボの存在理由。

 鋼鉄病になる理由。

 『銀色の処女(シルバーメイデン)』の意味。

 胸の痛み。

 あかりが鋼鉄病にかかる。

 浩之が実は鋼鉄病にかかっていない。

 心を感じるようになるセリオ。

 鋼鉄病の解決策。

 あかりが喫茶店を開き、浩之が医者となり、ついでに子供ができる。

 あかりのピースサイン。

 ぱっと思いつくだけでも、少なくともこれは全部一話前、またはその話を書いている途中に思いついたネタです。マジです。中には、一行前でやっと出てきた、書いてたら勝手に出てきたというのも、けっこうあったりします。

 というか、話の整合性をあわせたり、盛り上がりの場所と場所をつなぐ話のことを考えれば、かなりの量をその場で考えて書いてたりします。

 ついでにラストあたりは、自分でもどう収集をつけていいものかさっぱりわからなくなってました。ていうか終わるのか一番心配だったのは自分だったりします。

 終わってよかったよかった。いやほんとに。

 

 さて、話を中で使ったネタについてふれてみます。

 言わずもがな、中身は嘘だらけです。ついでに誤字脱字だらけです。時間がかかりますが、少しずつ直していくので、許してください。

 というか、誤字脱字についてはあやまるしかできません。どもうすみませんでした。

 さあ、あやまったので(オヒ)嘘っぱちの話を。

 精神病のことなんて、全然知りません。胸が痛くなることもあるでしょう。まあ、それはそれ、これはこれ。下手に知識があると、嘘っぱちを書くときに反対に抵抗あるかもしれませんし。

 むしろ、小難しい話に入らないだけましか、と自分で納得します。

 

 では、このお話で一番中核の、というか、中核になったお話を。

 今の私の正直な気持ちです。献身なんて、クソくらえと思っています。

 おいおい、めちゃくちゃそれを扱っといて何だその物言いは、と思われるかもしれませんが、私の正直な気持ちです。献身は、嫌いです。

 まあ、理由ってのも色々ありますが、趣味じゃないと思っておいてください。献身が嫌いな理由は、作品中にちりばめてる……かなあ?

 問題は私が献身を嫌いな理由ではなく、それによってこの作品ができたといってもいいことです。

 書き始めたときは、そこまでやる気のある作品ではありませんでしたが、本格的に献身の話を入れてからは、かなり『筆が乗る』ようになりました。

 そりゃあもう、どうやって献身をこき下ろしてやるか、それを考えながら書いてましたから。いや、というか、もう作品中ではそういう扱い以上の手はなくなってましたけど。

 それのおかげで、反対に献身というものが目立ったってところはいなめません。嫌いなのにねえ、ほんと。

 とりあえず、ひねくれているので、一筋縄でいかない作品を作ろうとしたら、自分でもにっちもさっちもいかなくなったのは内緒です。書いているうちに制限が増えることなどよくある話です。

 細かな部分はともかく、よく最後で整合性あわせれたな、ほんと。

 他人の目には支離滅裂な論理転換かもしれないけど、これ以上の手があったら、書く前に教えて欲しかった。

 

 では、書いたキャラの考察をちょっと。

 主役格。

 セリオ:目だったり目立たなかったり。ちょっと主人公にするのはきつかったかも。まあ、優柔不断というか、覚悟のなさは天下一品。

 浩之:いつのまにやら無敵のヒーロー。ただしあくまであかりがいないと変身不可能。私の無茶な理論展開に付き合って無茶なヤツに。ほんとに最低の男。

 あかり:誤算その1。というか、これが誤算してくれないと、お話絶対行き詰ってた。浩之の変身ブレスレットみたいなもの。主役食ってる可能性あり。男に都合のいいヤな女。

 綾香:まあ、予想よりは目立たなかったかな? 後の方では出番なし。忘れてたというより、話を出す暇がなかった。ちょっとごめん。出番は綾香伝で。

 志保:誤算その2。あんまりバカじゃなかった。整合性をあわせるために、何故か出てくるまるで便利道具。ひきぎわのいい女。というかいくじなし。

 長瀬:あんまりつかめなかったキャラ。話がこんなのだから出てきた人。父親似合わないね。最初からその気持ちで書いておけばもうちょっとどうにかできたかも。反省。

 ちょい役の方々。

 ひかりママ:誤算じゃなし。私がこのキャラ書けば、いかしたママとなること予想済み。ショタコンかもしれないのがたまに傷。でもやっぱりあかりとは別人。

 マルチ:ちょい役です、いやほんと。お話には時々出てくるけどね。先に心を持ったことになっていたが、今はどういう立場なのだろう?

 芹香:かなりちょい役。もう一回出したかったのだが、綾香と同等に出番なくなった。綾香の出番に出す予定だったが、無理。ごめん。オカルトというより乙女チック。

 まあ、こんなものです。

 何かだいたいけなしているようにも見えますが、別にどのキャラも嫌いってわけでは……ちょっとはありますが、お話の中では公平に扱ってるつもりです。

 

 さて、次に、中で一番迷った話をします。

 浩之の胸の痛みを治す方法を思いついたとき、実は私はかなり迷っていました。

 セリオが幸せになるためには、浩之はセリオ以外の、おそらくあかりとくっつかないといけないということになります。

 しかし、セリオがそれをよしと思っても、浩之やあかりはそれを良しと思わないのは明白です。だからと言って、浩之にセリオとあかり、どちらも選ばせるような、ハーレムを作ろうとする行動はさせたくありませんでした。

 これは、浩之がどうというわけでもないのですが、必死な男が、浮気なことをする余裕などないはずだからです。もちろん、それによって苦しんでいれば、他の女に逃げることはあるかもしれませんが、浩之に限ってそれはないと私は判断しました。

 つまり、ハッピーエンド至高派のくせに、私はハッピーエンドに持っていく方法を思いつけなかったのです。

 浩之とセリオは苦しみながらも、お互いの気持ちをたよりに、幸せに暮らしました、なんて中途半端な状態など、ちゃんちゃらおかしいとさえ思っていました。

 で、結局、浩之は、二人を選びました。

 男の勝手で選ばれる女にとってみればいい迷惑です。確かにあかりとセリオなら、それを了承することも考えられますが、それでも、浩之がそういう行動を取れば、男として腹が立つであろうことは明白でした。

 自分で書いたながら、私は浩之がそれを選ぶように動くとは思っていませんでした。

 しかし、ふたを開けてみると、何故かそれが妙にしっくりと行くようになりました。まったく腹立たしさもありませんでした。

 これは、ハーレムSSではありません。結果、浩之はそう選ぶしかなかったのでしょう。実際、それがうまく行って、ラストにつながったのは間違いようがありません。

 普通ならば叩かれてもしょうがない、二人の女性を選ぶという行為を、私は取らせてよかったと思っています。方法は確かに問題があると思いますが、それでも、ちゃんとしたハッピーエンドに持っていけたのは確かです。

 最後のピースサイン、とっさに思いついたあれが、私の書きたかったエンディングだというのは、皆さんに理解して欲しいところです。

 というか、単なるハーレムSSにするのが嫌だったので、二人を選ばず、どちらか片方を選ぶ道をずっと考えてみましたが、無理だと判断して、開き直って、そう見られないように、その部分はかなり真面目になるように書きました。

 特に、浩之の自虐が、それをよくあらわしていると思います。

 

 それでは、本文よりも稚拙ながら、あとがきを終わらせてもらいます。

 しばらくは綾香伝を書いて、もし他に何かネタを思いついたら、新しい作品に挑戦するかもしれません。そのときは、長くなってもなるだけ応援よろしくお願いします。

 ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 2002年 4月8日

 織原 夏樹

 

 

 P.S. ラストの一ヶ月ほどは、終わるかどうかほんとにはらはらしてました。何故か、ああいうときになった方が筆が進むというのも困ったものです。

 

これはここで終わり、またいつか

 

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